一日の流れ1_スクールに到着 _相模原市・厚木のフリースクール_家庭塾のミライ

【 ~心理的安全性について~実際の不登校のご家族Eさんの例 -1話- 】

中学生のR君と親御さんたちEさん。

ある日、
Eさんからお電話のお問合せを頂き、
まずはお母さんと面談。

小学校4年生から学校に行かなくなり、
中学生になった今もそのまま。

いろんな試みをしてきたり、
お母さん自身もたくさん勉強もしてきたのですが、
完全に手詰まりになり。

自分がいけないんだ、
と涙しながら話されていました。

まず、
お母さんはよくがんばっています。
がんばりすぎなほどです。

虐待など一部のケースを除いて、
親が悪い、
ということはまずありません。

自分も一生懸命のな中で、
手探りで子どもの問題を何とかしようとしていたことは、
本当にすごい努力と辛さだと思います。

わたしも家事育児は担当してきましたし、
経営時代に、
人を育成するにあたって随分な苦労をしてきました。

実家の状況で、
どうにもならないことがあるのも承知していますし、
また、その解決の糸口もなんとなくわかります。

ですので、
単純に、

おかあさんの奮迅は、
わが身の事のように感じます。

いつも面談で感じるのは、
一緒に何とかしてあげたいなという想いです。

そこで、
後日、息子さんを交えての面談をします。

息子さんを見て、
最初の印象は、

このままいくと、
危ないな、
という印象でした。

目の下は黒く淀んでいて、
姿勢は丸く、
まったくの無気力。

ほとんど喋らず、
最初から総じて、
おかあさんをキッと睨みつけていました。

いくつか私から、
話しかけたり質問してみましたが、

答えたくない、とか、
ため息などで、大したお話は出来ませんでした。

それでも、
お母さん的にはこの場に来れたこと、
他の人と話をしてくれたことが、

少し安心だったみたいです。

正直、
わたし的にも次回のご提案など悩みました。

いつもご家庭を面談する際に、

どこに一番の課題があるのか?
何をまず改善すれば家庭全体が進み始めるか?

を、
常に考えて分析するようにしています。

Eさんのご家庭は、
まずR君から変えるのは難しいなと感じました。

完全に無気力で、
感情も憎しみや恨みなど、

非常にマイナスの状態です。

人が変わっていくにあたって、
順番があり、

まず最初に必要なのは、

『心理的安全性』

というものです。
これは、

心の中が、
安心状態であるか不安状態であるか、
プラスイメージであるかマイナスイメージであるか、

という、
人間の行動における大根底なのですが、

心理的安全性が悪いと、
なにをやっても上手くいきません。

これは大人においても同じです。

心理的安全性を改善していくには、
二つの要素があり、

①良い経験
②良い感情

この二つを、
継続的に積み重ねていく事です。

子ども達に関しては、
まず、この二つが満たされていく事を意識しているので、

いきなり何かを教えたり、

これからどうしたい?
とか、
大丈夫、とかすら言いません。

何か動かすような言動を、
一切しないようにします。

ただ、
失っているものを満たすようなことを、
心がけています。

そうなると、
R君はまずエネルギーをためる時間と場所がいるなと思ったので、
まずは、ひとりで教室にいて好きにして良い時間を用意しました。

そして、
上述した”親が悪い”という点。

ここに関して、
本当に、親は悪くないと思っています。

ただし、
”親がこどもに大きく関係している”

のは、
間違いのない事実です。

”事実”と”感情”は別個のものだと思います。
ですので、
”事実”の方を変えるべきですし、

変えることによって、
子どもへの変化が、なぜか起きます。

Eさんのご家庭には、
R君の預かりの間に親御さんへのカウンセリングをお勧めしました。

親御さんは、
お子さんが変わっていくことを切に願われていたので、
両親共々、ご了承下さいました。

関連ブログ