一日の流れ1_スクールに到着 _相模原市・厚木のフリースクール_家庭塾のミライ

【 ~自己重要感について~ 実際の不登校になったご家族Wさんの例 】

小学校に入ってから、なかなか授業についていけないK君。

すぐに授業に飽きてしまって、
机の下に潜り込んで座り込んでしまう。

そんなK君を心配してご相談に来られました。

お母さんは、
他の子とは違うかも、、発達障害??

と、
いろんなところに相談しながら、
なんとかK君に合う場所を模索していました。

僕たちも、
完全なスクール形式をお勧めしているわけではないので、

その時点で全てにご対応できるようなご提案は、
出来なかったのですが、

まずは、
K君の得意なこと、好きなことを聞いてみることに。

すると、
プラモデルやラジコンなど、
モノ作りは大好きだと。

やり始めると止まらない。

あとは、
マウンテンバイク。

これも、
近所をずっと乗って走っている。

なんとか、
この点を伸ばせないかなと思いました。

学校に行きたくなくなる理由は様々なのですが、
大人も共通していて、これが大きいかなと思っている点は、

『モチベーション』

というものが無くなると、
人は行動できなくなってきます。

K君は、
きっと他の子とは

『評価基準』

が違っていて、

学校の規範、
テストの点だったり、みんなと足並みをそろえて規律を守れたり、

という事に、
あまり興味が向かないのだと思います。

それよりも、
自分の頭の中に世界観があって、

それをどうやって表現できるか?
モノ作りはなんかそれがしやすいぞ!

そういう感覚だと思います。

人は、
評価によってモチベーションや能力が磨かれていくため、

この、ズレによって、
K君のモチベーションはどんどん下がっていき、

学校がつまらない。
ヤル気が起きない、状態になっているのではないかなと思います。

割とこのようなタイプの子は、
不登校になることが多く、

自分に合った表現が出来るもので、
その表現が出てきた時に、
しっかりと評価する。

それによってモチベーションが高まり、
ほかの事も出来るようになります。

と、この流れを作りたいなと思って、
2人の知人に早速お願いをしました。

さて、
その二人とは、

プラモデル先生!
そしてマウンテンバイク先生!!

まずはプラモデルが好きな友人にお願いをして、
2時間ほど、お教室を開いてみました。

何か指導をする、
というよりも、

プラモ好きな大人と一緒に楽しみながら作る、
といった感じです。

K君とも最初、
数分一緒に面談しましたが、
10分ももたず、

足ぶらぶら、
まわりきょろきょろ状態。

が!しかし!

このプラモデル教室では、
2時間ガッツリNO休憩での集中力。

やっぱり本質的に好きなもの、
その子が持っているモノって、

自然と出てくるものなんですね。

先生も、
どういう風に完成させたい?とか、
片付けの仕方やその効果、

など、
良い話をちょいちょい挟んできます。
ナイス!!

最初の頃は、
ご挨拶や御礼などなかなか出来なかったのですが、
そこもきちんと出来るようになってきます。

やはり、

その子に合った好きなことを、
無理のない空間で、
ちゃんと見守ってくれる大人とやれば、

やるべきことは、
後からきちんと付いてくるんだなと思いました。

同じくマウンテンバイク教室も、
今度はお父さんと楽しく始めました。

面談当初、
お母さんから聞いていたのが、

なかなかお父さんが、
不登校に関しての理解がなく、

つい怒ってしまったり、
急かしてしまったりと、
お悩みでした。

これは、
Wさんのお宅だけに限らず、

不登校になるご家庭は、
何かしら家庭内で不和が起きています。

親と子、
夫婦、

その軋轢が、
子どもに向かいます。

それだけが原因ではないのですが、
しかしながら、
不登校になる大きな原因の一つでは確実にあります。

心理的安全性が欠けてしまうからです。

私としては、
この教室を通して、

お父さんにも、
楽しんでもらおう!
K君のことをもっと知ってもらおうと思って、

お父さんの隣で、
一緒にK君の活動を眺めながら、

K君の性質や変化、
あとはお父さんのお悩みなどを、
しれっと聞いていきました。

お父さんなりにも、
自分が仕事を変わったばかりで、
家族に貢献できていないこと。

自分も楽しみたいけど、
楽しめないこと。

人は、
人知れず悩み抱えて言えなくなって、
貯め込んでしまうものがあります。

それを、
少しだけでも吐き出していくと、
心が楽になって、

見えなかったものも見えるように。
入ってこなかったことも、
入ってくるようになります。

だんだんとお父さんも、

K君の考え方、見え方、
楽しみ方が分かってきて、

笑いながら、
行動を共にするようになりました。

K君がちゃんと挨拶できたり、
自己紹介できるようになっている姿を、
喜んで褒めてくれるようになりました。

親子って、
分かっているようで、全く別の生き物です。

知ろうとしないと分かりません。
ほかの誰かを介さないと、

問題は解決しません。

愛が故に、
距離感や立ち位置が分からなくなるからです。

家族以外にも、
その家族の幸せを一緒に願ってくれる存在が必要です。

そこからはもう。
お父さんの方が、もしかしたら楽しんでいるかもしれません。

こういう姿に戻ると、
親子っていいな、と思います。

と、このような体験を繰り返しているうちに、
きっとK君のモチベーションが回復してきたのだと思います。

学校に少しずつ行けるようになってきました。

お父さんとの関係や、
自分らしく楽しめる空間。

そこでの、
①良い経験
②良い感情

によって、
心理的安全性が回復し、

プラモデル教室や、
マウンテンバイク教室からの、

自分の本来持っているモノを
ちゃんと評価してくれる大人。

その評価によって、
もっと表現できる、伸ばせる楽しさ。

これが、
自己重要感につながります。

まだまだ、
読み書きが苦手、

などの課題もありますが、

きっと自分はできるんだ!
という、

自己重要感

が、もっともっと増してくれば、
自ずと色んなことにチャレンジできるようになります。

他の子と比較したり、
心配からあれもこれもと思ってしまうのですが、

一点。

その子の本質的に持っているモノを信じてあげれば、
あとは勝手に枝葉が伸びていきます。

周りができることは、

その子にとって何が、

①良い経験
②良い感情

につながるかを、
じっと見ていて、

それが生まれる環境を、
用意してあげることかなと思います。

心理的安全性と、
自己重要感。

本当に重要ですし、
時間がかかるものです。

目に見えない土台となり、
いずれ自主自立へと向かいます。

K君の未来が楽しみだなと思いながら、
もっともっと成長できる環境を、
用意してあげたいなと思っています。

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